韓国の会計制度は1997年の通貨危機以後、企業会計基準を国際標準に適合するよう全面改変しました。そ の一環として韓国政府は2007年11月に 「韓国採択国際会計基準(K-IFRS)」を制定し、国際会計基準を遵守 しています。韓国の企業会計制度には外部監査と内部会計管理制度があります。外部監査とは企業と利害 関係のない会社外の会計専門家(公認会計士)が監査を行うことです。一方、内部会計管理制度は企業の財 務諸表が会計処理基準に従って適正に作成され表示されるよう、企業の内部基準を制定し、これに基づいて 常勤取締役1名を内部会計管理者として指定し内部会計を管理する制度です。
•…企業会計基準
•…会計監査制度
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2017 韓国投資ガイド
2-1 企業会計基準
韓国金融監督委員会は1997年の通貨危機以降、IMFと世界銀行の勧告を受け入れ、企業会計基準を国際標 準に適合するよう全面改正しました。その結果、従来の法条文といった形式から脱し、国債会計基準の編制に 基づく現行の企業会計基準が誕生しました。2000年7月からは社団法人韓国会計研究院が金融監督委員会 から企業会計基準の制定 · 改正および解釈に関する業務の委託を受け、これにより韓国会計研究院は新しい 企業会計基準を制定し、また、従来の企業会計基準を改正する際に発刊順に並べて一連番号を付けた企業 会計基準書を制定 · 公布しました。企業会計基準書は株式会社の外部監査に関する法律の適用を受ける株 式会社が外部利用者のために財務諸表を作成する際や外部監査人の会計監査時に適用されます。
※ 企業会計基準と商法および税法
•韓国で企業の経営活動の結果として財務報告を規定する法規には、商法、税法、資本市場および金融投資業に 関する法律、株式会社の外部監査に関する法律、公認会計士法、そして企業会計基準と会計監査基準とがありま す。商法では財務諸表として賃借対照表、損益計算表、利益剰余金処分計算書または欠損金処理計算書を掲げて いる一方、企業会計基準ではそれに加えてキャッシュフロー表および財務諸表についての注釈が含まれます。税 法は権利 · 義務の確定主義と公平課税という大前提を基幹としているため、発生主義・実現主義に基づく業会計基 準による財務報告とは異なります。一方、最近は企業会計と税務会計の差を縮めるための法整備が進められてい ます。
2-2 会計監査制度
外部監査制度外部監査制度とは、企業と利害関係のない外部の会計士による監査の制度のことを指しますが、内部監査 人による監査ではなく、外部監査人による会計監査を行うことにより、株主・債権者・ 従業員などの利害当事 者を保護し、企業の健全な発展を図るために作られた制度です。「株式会社外部監査に関する法律」に基づ き、公認会計士で構成された監査人は企業が決算時に作成した財務諸表が企業会計基準に沿って正しく作 成されたかを調査します。
「株式会社の外部監査に関する法律施行令」第2条では、外部監査の対象を次のように一定の条件に該当す る株式会社に規定しています。従って、有限会社などはその規模に関係なく外部監査を受ける義務がありま せん。
•…直前事業年度末の資産総額が120億ウォン以上の株式会社(その株式会社が分割し、または他の会社と の合併で新しい会社を設立した場合は設立時の資産総額が120億ウォン以上の株式会社をいう)
•…上場法人(「資本市場と金融投資業に関する法律」による上場法人をいう)と該当事業年度または次年度中 に株式を上場しようとする株式会社
•…直前事業年度末の負債総額が70億ウォン以上で、かつ、資産総額が70億ウォン以上の株式会社(その株 式会社が分割したり、他の会社との合併で新しい会社を設立した場合は、設立時の負債総額が70億ウォ ン以上、かつ、資産総額が70億ウォン以上の株式会社をいう)
•…直前事業年度末の従業員数が300人以上で、かつ資産総額が70億ウォン以上の株式会社(その株式会社 が分割し、または他の会社との合併で新しい会社を設立した場合には設立時の従業員数が300人以上、
かつ、資産総額が70億ウォン以上の株式会社をいう。
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II. 企業経営情報
外部監査の対象となる会社は、毎事業年度開始日から4ヶ月以内に監査人を選任しなければなりません。ま た、上場法人および協会登録法人は連続する3事業年度の監査人を同一人とし、最初の事業年度開始日か ら4ヶ月以内に選任する必要があります。なお、会社が連結財務諸表や結合財務諸表を作成する場合、財務 諸表、連結財務諸表および結合財務諸表の監査役は必ず同一でなければなりません。会社が監査人を選 任する際は、監査または専門性、独立性が確保された監査人選任委員会(または商法の規定による監査委 員会)の承認を得なければなりません。特に、上場法人・協会登録法人および直前事業年度に証券先物委員 会から連結債務諸表の作成会社として通報を受けた会社が属する企業グループの系列会社は必ず監査人 選任委員会の承認を得なければならず、会社が上記の規定により監査人を選任した際は監査人を選任した 後、最初に召集される定期株主総会でその事実を報告しなければなりません。
内部会計管理制度
会社の財務諸表が一般的に認められる会計処理規準(GAAP、Generally Accepted Accounting Principles)に より作成 ·開示されたかを判断する合理的な根拠を提供するために設計・運営される内部統制制度の一部で す。内部会計管理制度は、内部統制制度の運営目的・財務報告目的、法規遵守目的といった3つの目的の うち、財務報告目的(特に財務諸表の信頼性確保)のための制度です。ここには資産保護および不正防止プ ログラムが含まれており、運営目的や法規遵守目的と関連する統制手続きが財務諸表の信頼性確保に関わ る場合にはその統制手続きも内部会計管理制度の範囲に含まれます。
内部会計管理制度は、会社が「模範規準」を設け、内部会計管理制度を設計・運営・評価・報告するために 必要な基本原則を示すことにより、会社が合理的かつ効果的な内部会計管理制度を構築するよう支援する とともに、会社が開示する財務諸表の信頼性向上を図っています。会社の代表者は内部会計管理制度の管 理・ 運営の責任を負い、これを担当する常勤取締役1人を内部会計管理者に指定しなければなりません。内 部会計管理者は取締役会および監査(または監査委員会)に半期毎に内部会計管理制度の運営実態を報告 し、監査(または監査委員会)はその運営実態に対する評価を取締役会に毎年報告します。これとともに、外 部監査人が会社の内部会計管理制度の構築および運営の可否を検討・報告する手続きに関する明確な基 準として「内部会計管理制度検討規準」があります。
<内部会計管理制度模範規準および検討基準>
内部会計管理制度運営委員会
内部会計管理制度模範基準
韓国公認会計士会
内部会計管理制度検討基準
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1. 外国人不動産取得制度
外国人が大韓民国の不動産を取得する場合、「不動産取引届出等に関する法律」(この法律では「外国人 等」という)、「対内投資促進法」、「外国為替取引法」などが適用されます。韓国内の不動産を取得しようとする 外国人等は、許可対象土地を除いては、一定の手続きにより届出だけで不動産を取得することができます。
届出と許可の対象となる土地は厳しく区分されている上、その取得手続きが異なるため、格別な注意が必要 です。不動産の取得と利用、開発には一定の規制と制限があり、このような土地関連規制は、外国人にも韓 国人と同様に適用されます。
<外国人の不動産取得関連法令>
区分 不動産取引届出等に関する法律 対内投資促進法 外国為替取引法
対象 外国人等(個人、外国法人、外国 人が持分の 50%以上を有する国 内法人、外国政府、国際機構等)
外国人(個人、外国法人、永住権 を持つ外国人、国際経済協力機構
など) 非居住者
主要内容 不動産取得届出:外国人等が国内 の不動産を取得する場合、一定の 手続きに従って届出
対内投資届出:対内投資に該当す る場合、一定の手続きに従って投 資届出
不動産取得申:非居住者が国内 の不動産に関する権利(賃借権、
抵当権などを含む)を取得する場 合、手続きに従って届出 届出機関 土地所在地の市・郡・区庁 外国為替業務取扱銀行、KOTRA 外国為替業務取扱銀行 届出時点 契約締結日から 60日以内 投資資金の搬入前 不動産取得資金の引出時
所管部署 国土海洋部 産業通商資源部 企画財政部
•…不動産取引届出等に関する法律
•…対内投資促進法
•…外国為替取引法
•…土地に関する規制
外国人の土地取得
Foreigners’ Land Acquisition
6章
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2017 韓国投資ガイド
<許可対象土地の取得>
区 分 内容
許可対象
•「軍事基地および軍事施設保護法」第2条第6号による軍事基地および軍事施設保護区域、
その他国防の目的のために外国人等の土地取得を特別制限する必要がある地域
•「文化財保護法」による指定文化財とそのための保護物または保護区域
•「自然環境保全法」による生態・景観保全地域
•「野生生物の保護および管理に関する法律」による野生生物特別保護区域
申請期間 契約締結前
許可機関 土地所在地の市・郡・区庁
提出書類 契約当事者間の合意書、身分証明書 処理期間 許可申請日から15日以内
罰則規定
「不動産取引届出等に関する法律」では罰則規定を設けていますが、不動産等を取得する契約を締結して いて、取得届出を行っていない場合は、300万ウォン以下または500万以下の過料が課されるほか、契約以外 の原因による不動産を取得して、不動産の取得届出を行っておらず、または不動産の契約保有届出を行っ ていない場合には1百万ウォン以下の過料が賦課されます。許可対象となる土地に対して許可を受けずに土 地取得契約を締結した場合は、その契約は無効となり、2年以下の懲役または2,000万ウォン以下の罰金に処 されます。
1-2 対内投資促進法
また、「対内投資促進法」では国有・公有財産などの賃貸および売却において、対内投資企業または対内 投資環境改善施設の運営者に対し、随時契約による賃貸または売却などを認める特例措置が設けられてい ます。土地などを対内投資企業などに売却する際、購入代金を一括で納付することが難しいと認められる場 合、購入者は年4%(適用利率)の範囲内で納付期日を延期し、または分割で支払うことができます。
1-3 外国為替取引法
不動産取引が外国為替の流出入を伴う場合、外国為替流出入に関する手続きを定める「外国為替取引法」
が適用されます。不動産取引に関連する「外国為替取引法」の主な内容は、不動産売買代金の搬入および 搬出手続きで詳しく説明します。
1-4 土地に関する規制
土地に関する規制は大きく、取得に関する制限、利用に関する制限、開発に関する制限に分けられます。こ のような規制は原則として外国人と韓国人と同様に適用されます。
土地取得に関する規制
「不動産取引届出等に関する法律」の規定による許可区域内の土地について契約を締結しようとする場合
は、市長・郡守または区長の許可を得なければなりません。
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II. 企業経営情報
また「農地法」では、原則として自己の農業経営に利用、または利用する予定の者以外の農地所有を禁じて いますが、週末·体験営農のために農地を所有する場合には延べ1,000㎡未満の農地を所有できるなど、一 部の例外を認めています。
土地利用に関する規制
韓国の全土は「国土計画および利用に関する法律」により、4つの用途地域(都市・管理・農林・自然環境保 全)に指定されており、それぞれの用途地域によって一定の制限行為が定められています。また、「首都圏整 備計画法」では、人口と産業の過度な集中により生じる問題を解決するため、首都圏(ソウル、仁川および京 畿道)を3つの圏域(過密抑制圏域、成長管理圏域、自然保全圏域)に分け、各圏域別に一定の行為を制限し ています。過密抑制圏域に該当するソウル市において業務用建物、販売用建物、公共庁舎などを建築する 場合には過密負担金が課されます。工場・学校については、新設 · 増設の総認める量を定め、これを超える 場合は新設 · 増設が制限されます。 該当土地に対する主な規制内容は、土地所在地を管轄する市 · 郡 · 区 庁が発行する土地利用計画確認書で確認することができます。
※ 首都圏過密抑制圏域
•ソウル特別市、仁川広域市(江華郡、甕津郡、西区大谷洞・不老洞・麻田洞・金谷洞・梧柳洞・旺吉洞・堂下洞・
元堂洞、仁川経済自由区域および南洞の国家産業団地は除外)、議政府市、九里市、南楊州市(好坪洞、坪内洞、金 谷洞、一牌洞、二牌洞、三牌洞、加雲洞、水石洞、芝錦洞および陶農洞のみ該当)、河南市、高陽市、水原市、城 南市、安養市、冨川市、光明市、果川市、義王市、軍浦市、始興市[半月特殊地域(半月特殊地域から解除された 地域を含む)は除外〕
※ 過密負担金制度
•過過密負担金制度は、首都圏の過密を緩和し、地域のバランスの取れた開発と都市基盤施設の拡充に必要な財源 を確保するための「首都圏整備計画法」上の制度であり、現在ソウル市内で人口集中を誘発する施設のうち業務 用建物、販売用建物、公共庁舎等を新築・増築する場合に賦課される。負担金の算出は建築費の100分の10にし、
地域別状況などを考慮して建築費の100分の5まで調整できる。
•賦課対象建築物:業務用建築物2万5千㎡、販売用建築物1万5千㎡、複合建築物の賦課対象面積のうち、販売用施 設の用途別面積が一番大きい建築物1万5千㎡、他の複合建築物2万5千㎡