平成15年度第一期工事区間の通水を目指し、本川トンネルの継続整備、瀬田川との 合流部整備、国道422号の付替を実施します。
●草津川放水路 1. 概要
草津川は、草津市内を横切る天井川であるため、降雨による洪水がひとたび起これば、
市街に甚大な浸水被害を及ぼし、JR東海道本線、国道1号をはじめとして多くの主要幹線 鉄道、道路を遮断します。
このため、琵琶湖から5.5kmの区間を草津川放水路として緊急的に整備しています。
事業着手 平成4年度 暫定通水 平成14年6月
2. 平成15年度の整備内容
草津川放水路全景 鉄道の上を流れる旧河川 台風6号(H14.7)時の草津川放水路
大津放水路の完成により、
浸水範囲が大幅に減少します。
旧 草 津 川
↑ 新 草
津 川
↑ 旧 草 津 川
草 津
川
安全で安心できる近畿を目指し
近畿の都市基盤を災害から早期に守る
∼佐保川・猪名川総合治水対策特定河川改修∼
1.概要
大和川水系佐保川、竜田川、富雄川他(奈良県大和郡山市、奈良市等)及び淀川水系猪 名川(大阪府池田市、豊中市他、兵庫県川西市、伊丹市他)の都市河川においては、近年 の著しい都市化や土地利用の変化による治水安全度の低下の著しいため、流域のもつ保 水・遊水機能の確保や土地利用の誘導等の流域対策と併せて、河川改修事業を重点的に実 施し、流域の変貌と調和のとれた治水施設の整備を図ることにより、10年に1度の治水 安全度(時間雨量約50mm相当)を確保します。
[佐保川における改修状況(直轄)]
[改修前(昭和 50 年6月撮影)] [現在(平成 12 年5月撮影)]
[佐保川浸水状況(左:昭和 57 年8月撮影、右:平成 11 年8月撮影)]
2.平成15年度の整備内容
Ɣ 佐保川においては、西名阪佐保川橋梁をはじめとする橋梁の架替、引堤用地買収等を継続 実施し、平成18年度に総合治水対策として必要な河道確保を目指します。また竜田川他に おいても整備促進を図ります。
Ɣ 猪名川においては、護岸整備、井堰撤去、橋梁架替を行い、当該年度には総合治水対策と して必要な河道を暫定的に確保します。
佐 保 川
佐 保 川
安全で安心できる近畿を目指し
近畿の都市基盤を災害から早期に守る
∼鉄道橋梁改築(阪神西大阪線淀川橋梁、JR山陽本線加古川橋梁)∼
1.概要
淀川、加古川の都市部に架かる鉄道橋梁「阪神西大阪線淀川橋梁」、「JR山陽本線加 古川橋梁」は、桁下が低く、橋脚の数も多いことから、洪水の安全な流下を妨げています。
特に「阪神西大阪線淀川橋梁」は、淀川堤防を大きくを切り込んでいるため、洪水時や高 潮時には、浸水や破堤を起こす危険性があります。
このような鉄道橋梁に対して、抜本的な対策を行うべく、架替を重点的に実施します。
2.平成15年度の整備内容
●阪神西大阪線淀川橋梁
事業着手 平成12年度 完成予定 平成24年度 平成15年度には、橋梁架替のための用地買収に着手します。
橋梁の現況 (踏切が堤防
よりも低い)
阪神西大阪線の全景
●JR山陽本線加古川橋梁
事業着手 平成7年度 完成予定 平成17年度 平成15年春、新線に切替をします。また、旧線の鉄道敷路盤、軌道の電気関係施設およ
び旧橋の撤去に着手します。
JR山陽本線
加古川橋梁(新橋)の全景
安全で安心できる近畿を目指し
中上流の浸水被害解消を図る
下流部流下能力拡大
∼大和川下流改修・ 亀の瀬地すべり対策∼
1.概要
大和川においては、奈良県域に頻発する浸水被害の軽減を目指し、総合治水対策を河 川・流域一体となり進めていますが、更なる浸水被害軽減のため、水系全体の抜本的な洪 水対策として、狭窄部の地すべり対策と合わせ、下流河道拡幅(掘削、引堤等)を重点的に 実施します。
2.平成15年度の整備内容
下流大阪府域において、河口掘削、引堤等による河積拡大を推進します。
河口掘削
大和川水系の治水対策
大和川の河口掘削
総合治水対策
亀の瀬地すべり対策 香ヶ丘引堤
国分地区改修
↑ 大 和 川
← 佐 保 川 石 川 →
平成 11 年 8 月出水状況
↑ 大
和 川
↑ 大 和 川 曽 → 川 我
亀の瀬地すべり対策 深礎工施工イメージ
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、
同院発行の数値地図50mメッシュ(標高)を使用したもので ある。(承認番号平14総使、第181号)
安全で安心できる近畿を目指し
中上流の浸水被害解消を図る
下流部流下能力拡大
∼桂川大下津引堤、日野川引堤∼
●淀川水系桂川大下津引堤
上流補助区間、亀岡市域の浸水被害対策や京都市内を 流下する支川洪水の流下を受けるべく、直轄区間では流 下能力が不足する下流大下津地区で引堤事業を重点的に 実施します。
○ 平成15年度の整備内容
大下津地区において引続き引堤を推進します。
[ 上 流 : S 5 7 亀 岡 市 域 浸 水 状 況 ( 補 助 ) ]
[下流:桂川大下津地区改修(直轄)]
●九頭竜川水系日野川引堤
上流域において進めている支川浅水川改修等と合わ せ、下流日野川直轄区間(約6.8km)において、流 下能力拡大を図るべく、引堤事業を重点的に実施しま す。
○ 平成15年度の整備内容
日野川下流部において引続き引堤を推進します。 [上流:浅水川越水状況(福井県・補助)]
京都市 中心部
淀 川 →
↑ 桂
川 下流 桂川大下津改修
亀岡市
上流 保津川改修
浅 水 川 →
上流 浅水川改修(福井県)
下流 日野川改修(直轄)
福井市 中心部
日 野 川
↓
安全で安心できる近畿を目指し
災害頻発等地域の緊急防災対策
∼相野谷川
お の だ に が わ、由良川水防災対策、六甲山系一王谷
いちおうたに堰堤
えんてい∼
● 水防災対策特定河川事業 1.概要
近年、浸水被害が頻発している地域を対象に、緊急かつ効率的に治水効果をあげる ため、従来の連続堤防による河川整備にとらわれない、輪中堤・宅地嵩上げ等による 治水対策を、地域の意見を取り入れて実施します。
● 相野谷川お の だ に が わ
新宮川水系相野谷川(三重県紀宝町きほ うちょう)沿川では、昨年の 出水を含め過去10ヶ年で4回の浸水被害が発生しています。
このような現状を踏まえ、既に事業化を図っている水防災対 策事業による輪中堤整備や宅地嵩上げをより一層推進し、
早期被害の防止を目指します。
● 由良川
由良川の下流部(京都府福知山市、大江町他)には堤防が 無く 、山地が両岸に迫り平地の少ない地形となっているので、
地域の意見を踏まえ輪中堤、宅地嵩上げを取り入れた河川 改修を行い、早期に安全度の向上を図ります。
2.平成15年度の整備内容
● 相野谷川においては、三重県紀宝町高岡、大里地区において輪中堤・宅地嵩上げを行 います。
● 由良川においては、京都府大江町千原・尾藤地区、舞鶴市域にて輪中堤を行います。
● 六甲山系一王谷
いちおうたに堰堤
えんてい1.概要
梅雨や台風のみならず近年の異常気象に伴う 局所的集中豪雨により、土砂災害の危険性がさ らに高まっています。災害発生時に重大な影響 を及ぼす箇所を重点に砂防施設の整備を行い、
治水安全度の向上を図ります。
2.平成15年度の整備内容
JR変電所 崩壊地拡大
堰堤施工位置
輪中堤
宅地嵩上げ
由 良 川
狭隘な平地部の住家を洪水から保全 H2.9出水状況
浸水前後の
高岡地区のようす
H13.8年台風11号に よる浸水
新しい発想による河川の計画策定と実現に向けた更なる取り組み
河川の特性と地域の声を活かした
河川整備計画の策定
~流域委員会の設置と住民意見の反映~
平成9年の河川法改正により、今後20~30年の具体的な河川整備に関する事項(河川整備 計画)を策定するにあたっては、必要に応じて学識経験者の意見を聴くとともに、公聴会等により 地域住民の意見を反映する手続きが導入されました。
近畿地方整備局では、この学識経験者の意見を聴く場として水系毎に流域委員会を順次設置 しています。また、地域の意見を反映するため方法についても色々な取り組みを実施しています。
各水系で工夫を凝らした新しい取り組み
①委員会設立の段階からの透明性確保 メンバー構成などを河川管理者から独 立した準備会議を設けて決定。準備会議 からの推薦、公募方式の導入し、透明性 と客観性が担保された委員会が設立され ています。
②委員会資料など情報の徹底公開 委員会は公開の場で広範な議論を行 い、結果はホームページなどにより積極 的に公開されています。また、傍聴者にも 発言の機会が設けられるなど、開かれた 議論の場が確保されています。
③住民意見の反映方法
「住民意見の聴取・反映」の具体的方 法についても委員会で議論していただい ています。また、一般住民を対象として意 見聴取会を設けたり、河川整備計画原案 について住民説明会を行うなど、地域の
意見を反映する手続きを積極的に行っています。
京都府大江町で実施された住民説明会(由良川水系) 住民からの意見聴取(淀川水系)