共連続相分離構造の例
（本写真では一方の相は溶解 抽出されて空洞になっている）
共連続相分離によるＵＶ樹脂の物性改善
ＵＶモノマー
注１）＋
リニアポリマー
注２）均一溶解 ＵＶ硬化
（相分離）
注1）ＵＶモノマー（紫外線硬化性モノマー）
リニアポリマーを溶解させる液状の 多官能モノマー（アクリレートなど）
注２）リニアポリマー
ポリスルホン，ポリエーテルスルホン， ポリ カーボネート，塩化ビニル，酢酸ビニル，など
ＵＶ樹脂／リニアポリマー系の
共連続相分離構造形成方法
a
ＵＶ樹脂（BPE4）／リニアポリマー（/PSU）
＝90／10(w/w)相分離系の相構造
(a)断面（ジクロロメタン洗浄）のSEM写真 (b)断面のTEM写真
BPE4：エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート PSU：ポリスルホン
ＵＶ重合誘発型相分離による相構造
BPE4／PSU系の各組成での相構造のTEM写真
PSU含有量（重量％）：(a) 2, (b) 5, (c) 20, (d) 30, (e) 50, (f) 70.
ＵＶ重合誘発型相分離による相構造
BPE4／PSU系における引張強度(a)と引張弾性率(b) の相構造ごとの組成依存性
☆物性は「ぼんやりした構造」の時に相加平均を上回る。
ＵＶ樹脂の物性改善
＊）共連続構造：完全に相分離する温度条件で硬化
＊）セミＩＰＮ：相分離せず相溶状態となる温度条件で硬化
＊）ぼんやりした構造：上記の中間
各種ＵＶ樹脂とリニアポリマーの組合わせにおける 引張強度(a)と引張弾性率(b)の組成依存性
☆ UV硬化樹脂にリニアポリマーを溶解させて最適の共連続相分離条件で 硬化させると、構成素材よりも高い物性を得ることが出来る
☆ リニアポリマーの添加量が30重量％程度で効果が得られる。
物性改善の例
BPE4／PSU系における 相関長の硬化温度依存性
BPE4／PSU系における光 透過率の硬化温度依存性
相分離のスケールと光透過性
☆ 透明な相分離体を得ることが出来る
関連する論文・著書・特許出願
論文
1. SachinH. Jain, Kazutaka Murata, and Takanori Anazawa "Nanostructures Developed from Semi- Interpenetrating Polymer Network Structures", Macromol. Chem. Phys., 204, 893-902 (2003).
2. KazutakaMurata, Akiko Amemiya, and Takanori Anazawa "Morphology and Mechanical
Properties in Polymer Blends of Photocurable Polymer and Polycarbonate", Macromol. Mater. Eng., 288, 58-65 (2003).
3. KazutakaMurata and Takanori Anazawa "Morphology and Mechanical Properties of Polymer Blend with Photochemical Reaction for Photocurable/Linear Polymers", Polymer, 43, 6575-6583 (2002).
4. KazutakaMurata, Jain Sachin, Hideki Etori, and Takanori Anazawa "Photopolymerization-
induced phase separation in binary blends of photocurable/linear polymers", Polymer, 43, 2845-2859 (2002).
5. Kazutaka Murata, Hideki Etori, Toru Fujisawa, and TakanoriAnazawa "Phase Structure Formed by the Photopolyerizationin a Binary Blend of Photocuable/Thermoplastic Polymer" Polym. J., 32, 375-377 (2000).
著書
1. 穴澤孝典 ＵＶ硬化を利用したポリマーの相構造制御とその応用. 「ＵＶ硬化材料 開発事例集
～光硬化システムの設計・評価および新規応用～」 （共著, 第2章第８節）, （株）情報機構 (2006)
特許出願
特開2001-207010、特開2001-214070、特開2001-220515、特開2001-234074、特開2001-240718、
特開2001-247774、特開2001-261916、特開2001-261758、特開2001-316595、特開2001-329027、
特開2001-329133、特開2002-012605、特開2002-012677、特開2002-097216、特開2002-200623、
特開2002-241618、特開2002-265615 上記特許出願は審査請求予定です。
特許権、特許実施権の譲渡に関してはお問い合わせください。
